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2016年12月

常圧蒸留

前回は減圧蒸留を紹介しました。
今回は常圧蒸留の方を紹介したいと思います。

蒸留機は減圧蒸留との兼用なので同じこの蒸留機で行っています。

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モロミの量は常圧用も減圧用も変わらず約3,800Lあります。
ただし、蒸留後に採れる量は減圧蒸留の方が少しですが多いです。
高温で過熱し続けますから、ガスと一緒に蒸発してしまう分があるようです。
減圧の場合は密閉してますから、そのぶんのロスが無く回収できるようです。

蒸留時間は垂れてきてから約180分をメドにしています。
ちなみに、12月23日に行っ分はアルコール44.9%のものが1,365L採れました。
(アルコール25度に換算すると、一升瓶が約1,361本分できます。)

味は豊潤なタイプが多く、さまざまな微量成文が入っているので味わい深いです。
芋焼酎は圧倒的にこちらのタイプが多いです。

下の画像は蒸留直後のものです。
分かりにくいかもしれませんが、この状態ではまだ白濁しています。
(ろ過すると透明になります。)

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見学に来た方にこの状態のものを見せると、
「匂いだけで酔いそー!」
とか言います(^^)
高アルコールの原酒のインパクトは凄いみたいです(^^)

縣屋酒造にも『不死鳥』と『道』という常圧蒸留の製品がありますので、試してみて下さい。

不死鳥は裸麦を原料に白麹で醸造しています。
道は裸麦を原料に黒麹で醸造しています。

麹の種類を変えただけですが品質は違います。
どうぞよろしくお願いします(^^)

大分県宇佐市安心院町|麦焼酎・大分の酒・酒蔵

縣屋酒造(株)

大分県宇佐市安心院町折敷田130

減圧蒸留

いよいよ本格的に寒くなってきました。
インフルエンザやノロウイルスが流行しているみたいです。
気を付けなければいけません。

さて、今回は久し振りに縣屋の造り、
「減圧蒸留」を紹介したいと思います。

縣屋酒造の二次モロミは、大体3,800Lあり、
それを蒸留日に午前と午後の2回に分けて蒸留を行っています。

ほかの酒造メーカーさんでは、2~3日間かけて1本の二次モロミタンクを蒸留するなど、そのやり方はまちまちです。

さて、ここで「減圧蒸留」とはどういう蒸留方法なのかを説明したいと思います。

"減圧"とは、蒸留釜から冷却塔、蒸留酒受け入れタンクまでの、
一部の空間だけを真空状態に近づけ気圧を上げることによって、
沸点を下げることができ、結果ライトな蒸留酒を造り出す蒸留方法のことです。

"ライト"という表現にしましたが、
ほかによくいえば"軽快"、"飲みやすい"、"クセが少ない"、"キレがよい"といった感じです。

悪くいえば"物足りない"、"味気ない"、"淡白"といった感じです。

では、なぜ沸点を下げることによってライトな蒸留酒ができるかというと、
焼酎モロミ内に入っている各種微量成文の沸点がバラバラで、
沸点を下げることによって蒸留酒の方に移行しない成文が出てくるからです。
(例えば"フルフラール"という成文がそうです。)

この蒸留方法は、昭和48(1973)年頃に福岡県で日本酒の蒸留に初めて行われたようです。
そして翌年、熊本県で米焼酎の蒸留が行われ、その後広く普及していったようです。
まだまだ歴史は浅いと思います。
このライトでクリアなタイプは日本人の嗜好に合うのだと思います。
すっかり定着してしまいました。
現在では本格焼酎の主流です。

ちなみに、12月2日に行った蒸留では、
3,807Lのモロミで、アルコール45.3%のものが1,482L採れました。
1回の蒸留時間は縣屋では大体200分です。

下の画像が縣屋の蒸留機です。
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次回は常圧蒸留のほうも書きたいと思います。

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縣屋酒造(株)

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國酒(コクシュ)

本格焼酎や日本酒は"國酒"というふうに表現されることがあります。

個人的には、"この国で造られる大事なお酒"というふうに受け取っているので気に入っています(^^)
(中には"右翼的"などと批判的な意見もあり賛否両論なようですが...)

そこでふと思いました。
なぜ「國酒」という言葉や概念が生まれたのか。

ということで短時間ですが、國酒について自分なりに調べてみました。

発端は約35年前の大平内閣のときに、日中国交回復の晩餐会にて、
ホスト国である中国が自国の酒「白酒(パイチュウ)」で日本を歓待したそうです。

これを受けた当時の大平首相は、日本には伝統の酒である本格焼酎や日本酒があるのに、
我が国での外交晩餐会はフランス料理にワインなどで乾杯をしている。
"これはいけない"と思い、本格焼酎や日本酒を「國酒」と命名し、
乾杯の際に使用することを提案したようです。

しかしなかなか浸透せず時は流れ、海外で日本食がブームになるとそれに乗じて國酒もPRしようと、
平成24年5月、古川元久国家戦略担当大臣(当時)が
「國酒プロジェクト」なるものを始動しました。
簡潔に概要を説明すると、

①成長戦略
海外で少しずつ浸透している日本食とともに、海外で國酒をもっと飲んでもらう。

②地域活性化
旅行先などで"地元"で造られている食や國酒を飲んでもらう。

③日本文化の振興
國酒やそれにまつわる食の魅力をもう一度見直す。

といった感じです。

輸出においては、日本酒のほうは数量を伸ばしているようですが、
本格焼酎はまだまだです( ´△`)

酒類のイベントはそれなりに成功し、
地方であってもそれなりに盛り上がりを見せているように感じます。
企画や広報などの"やり方"が大事な気がします。

今後、さらなる日本の人口減少や、
日本人(アジア系)は元来そこまでお酒に対する耐性が強くない人が多い、
といったことを考えても国内消費だけでは先細り感は否めません。

なるべく早く本格焼酎はウォッカ、ジン、テキーラなどの様に
「世界の蒸留酒」と認められるように、
日本酒はワインの様に、「世界の醸造酒」と認められるように
我々も頑張って活動を行っていかないといけないと思いました。

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